「レゲエ」「チベット医学」「クリスマスツリー」無形文化遺産の「悲喜こもごも」
2019年2月5日
インド洋に浮かぶ島国モーリシャス(首都・ポートルイス)で昨年11月下旬から12月上旬にかけて、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第13回政府間委員会が開かれた。
「男鹿のナマハゲ」(秋田県男鹿市)や「甑島のトシドン」(鹿児島県薩摩川内市)といった日本の「来訪神行事」が新たな無形文化遺産に登録されたことはご存じの通りだ。
主要各紙の報道では、来訪神行事が主に取り上げられたが、全31件が無形文化遺産に登録され、ジャマイカの「レゲエ」やヨーロッパの「藍染め」、韓国・北朝鮮の格闘技「シルム」など、さまざまな案件の登録可否が審議された。その詳細をお伝えしたい。
会場に鳴り響く『ワン・ラブ』
「レゲエはもはや、われわれだけのものではない」
11月29日、中米ジャマイカを代表する音楽「レゲエ」の無形文化遺産登録が決まった直後、政府間委員会の会場で挨拶に立ったジャマイカの政府関係者は、やや興奮気味にまくし立てた。真っ青なワンピースを着たその女性は、少しずつ姿形を変えながら各国に普及しているレゲエの現状を、よく通る声で説明した。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。