ストックホルム近郊で2泊3日の「合宿協議」を崔善姫北朝鮮外務次官(左・(C)時事)と行ったビーガン特別代表(右・(C)AFP=時事)の発言は示唆に富む

 

 ドナルド・トランプ米大統領との会談に出席した北朝鮮のメンバーは金英哲(キム・ヨンチョル)党統一戦線部長、朴哲(パク・チョル)朝鮮アジア太平洋平和委員会副委員長、キム・ソンヘ党統一戦線部統一戦線策略室長という党統一戦線部ラインと、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長直系で国務委員会の金革哲(キム・ヒョクチョル)対米特別代表となったこと、金英哲部長が米中央情報局(CIA)のボーン・ビショップ副長官と会談したと見られることなどを勘案すると、北朝鮮の対米交渉は依然として党統一戦線部が主導していることが明らかになった。

統一戦線部主導を守った金英哲部長

 米国側はマイク・ポンペオ国務長官のカウンターパートを李容浩(リ・ヨンホ)外相などに交代するように求めていたが、金党委員長はこれに応じず、金英哲部長主導で対米交渉に当たり、この体制を補強するために外務省出身の金革哲氏を国務委員会所属にして、これに加勢させたと見られる。

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