パレスチナのガザ地区。紛争が解決する日は来るのか

 

 本欄に『世界のエネルギー絵図を変えるか「レバント」ガス資源』(2018年1月17日)をアップしてから約1年が経った。

 世界でも数少ない未探鉱地域、探鉱作業がほとんど行われていなかった地中海東部の「レバント」と呼ばれる地域が、エジプト沖で大ガス田が発見されたことにより脚光を浴び始めたことを紹介したものだ。

 この小稿の中で筆者は、「今後の展開の重要な鍵を握るのはイスラエルとパレスチナの和平の行方ではないか、と考えている。イスラエル沖合の巨大ガス田『リバイアサン』の開発は、国内需要以上の供給余力があるため輸出を前提に置かざるを得ず、いつ、どのようなスピードで進むのかも和平の動向次第ではなかろうか」と書いた。

 あれから1年、残念ながら和平の進展はまったく見られない。

 ドナルド・トランプ大統領が、2017年12月に在イスラエル米大使館をテルアビブからエルサレムに移すと発表し、現実に2018年5月14日に移転したことも大きな一因だろう(ロイター『焦点:米大使館移転で中東緊迫化、「エルサレム問題」とは何か』2018年5月15日)。

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