サウジアラムコ会長「海外拡大」「IPO実施」発言は例の事件の幕引きか
2019年2月15日

ファーリハ大臣の発言は、当然ながらムハンマド皇太子の諒承なしにはあり得ない(C)EPA=時事
「サウジアラムコ」が海外での石油ガス開発事業に本格進出し、国際大手石油会社「ロイヤル・ダッチ・シェル」や「エクソン・モービル」と競争するという。
これは、何を意味するのだろうか?
サウジアラビア(以下、サウジ)のエネルギー大臣であるハーリド・アル・ファーリハ氏が『フィナンシャル・タイムズ』(FT)とのインタビューで語ったものだが、サウジの重要政策はすべて国王の了解の下になされるものだ。現実的には、「実質上のリーダー」であるムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の了解していない事項はすべて、いかに優秀なテクノクラート、エネルギー大臣といえども、外部に発信することはできないはずだ。
「FT」に対し、ファーリハ大臣は、「サウジアラムコ」の海外石油ガス開発事業進出の計画を語るのみならず、無期延期となったと金融界で了解されている「サウジアラムコ」の部分的IPO(新規株式公開)との関係については、将来の株主たちは間違いなく「サウジアラムコ」が海外の石油ガス開発事業でも活躍してほしいと望むはずだ、と応えている。つまり、IPO計画は生きている、と示唆しているのだ。
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