ウイリアム・バー司法長官

執筆者:足立正彦2019年2月20日
 

43. ウィリアム・バー司法長官(68

 ドナルド・トランプ大統領はジェフ・セッションズ司法長官を2018年中間選挙投票日の翌日(11月7日)に事実上更迭したが、12月7日には、次期司法長官にウィリアム・バー氏を指名していた。その後、上院司法委員会での指名承認公聴会を経て、米議会上院は2月14日に本会議場で指名承認採決を行い、賛成54票、反対45票の賛成多数で同指名が正式承認され、同日、司法長官に就任した。

 セッションズ氏の辞任後、司法長官首席補佐官であったマシュー・ウィテカー氏が司法長官代行に就任して司法長官職を担っていたが、ロバート・モラー特別検察官の「ロシアゲート疑惑」の捜査のあり方に過去に批判的発言をしていたため、ウィテカー氏に対して野党・民主党が猛反発していた経緯がある。

 バー司法長官は、かつてモラー特別検察官と司法省でともに勤務していたお互い尊敬し合う関係であったが、モラー特別検察官主導の「ロシアゲート疑惑」に対しては、2018年に批判的見解を示していた。また、トランプ大統領がジェイムズ・コミー連邦捜査局(FBI)長官を2017年5月に更迭した直後、バー氏はトランプ大統領の判断を擁護する寄稿を『ワシントン・ポスト』に行っている(同寄稿参照)。

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