2月半ば、ロシア・ソチで3日間にわたる会談を行ったロシアのプーチン大統領(左)とベラルーシのルカシェンコ大統領(右)。一緒にスキーをして親密さを演出したが…… (C)AFP=時事

 

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の支持率が急速に低下している。経済停滞が続くなかで、2018年夏場まで8割を超えていた支持率は、6割台にまで落ちた。景気浮揚の道筋が描けぬなか、国民の求心力を保つための新たな秘策が浮上している。

「用心した方が良い」

 「プーチンは3年以内に(旧ソ連諸国を取り込む)“大ロシア”を構築し、新しい連邦の大統領に就任するつもりだ。用心した方が良い」。

 ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領との2018年10月末の会談でこう耳打ちした。

 プーチン政権は、2014年に親欧米に転じたウクライナを勢力圏に取り戻すため、同国への軍事介入を続けている。2018年末からは、ベラルーシにも矛先を向け始めた。12月の一連の会談で、経済支援の見返りとしてロシアとの国家統合を進めるよう迫っている。ドミトリー・メドベージェフ首相は具体的に、単一通貨の導入や税関や裁判所の統一を挙げ、「ロシアは連合国家の創設を進める準備がある」と明言した。

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