せっかくの勝利にもケチがついてしまった(デシャンボー)(C)AFP=時事

 

 最近、世界のゴルフ界が喧しい。いろいろな事柄が次々に浮上しては物議を醸し、ちょっとした騒動へと発展しているのだが、それらを遡っていくと、必ずと言っていいほど、同じ1点に辿り着く。

 その1点とは、ペース・オブ・プレーのこと。平たく言えば、スロープレー問題だ。

 たとえば、今年1月1日から施行された新ゴルフルールは、長年の懸案であるスロープレー問題をどうしたら改善できるだろうかという疑問や課題が、ルール大幅改正のそもそもの出発点だった。

 従来のルールは複雑で難解ゆえ、プロもアマチュアもプレー中にルール上の処置に戸惑い、そのせいでプレーのペースが遅くなっていた。それならば、ルールそのものをシンプルで理解しやすいものに変えてしまえば、そのぶんプレーペースのスピードアップが図れるはず。ルール大幅改正の背後には、そういう意図があった。

 ところがいざ、新ルールが施行された途端、欧州ツアーでも米ツアーでも、キャディのラインアップ問題が大騒動になったことは記憶に新しい。ショットでもパットでも、プレーヤーがスタンスを取る際にはキャディはラインから外れていなければならないという新規定は、今年から施行された新ルールの1つだ。

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