鄧小平氏の長男・鄧樸方氏の「批判」演説は、海外華字サイトでも大きく取り上げられた(『中央通訊社』HPより)

 

 中国の習近平国家主席にとって、中国共産党の一党独裁体制の維持と安定が最優先事項であることは、これまでも言及してきた。特に共産党の絶対的支配・指導を強調したものとして、昨年12月の改革開放40周年での演説が挙げられる。習主席は演説の中で「改革すべきでない、また改革できないことは断固として変えない」と強調した。

 海外の華字紙はこれを「不改論」と名付け、選挙や言論の自由、中国共産党に対する監督制度や司法の独立といった政治改革は不可能だということを印象付けたのだった。

 このように堅固に見える習近平体制だが、実は低調の経済だけでなく、ここにきて中国共産党の支配や習近平体制についても国内から“反旗”が掲げられるようになっており、その脆弱性がうかがえる。

 著名な在米中国経済学者の何清漣氏はたびたび、「政治改革なき経済改革は、中国共産党による経済への支配を強化しただけだった。こうした改革には将来性は見いだせない」との批判を展開してきた。本稿では、政治改革をめぐる“反旗”に焦点を絞ってみたい。

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