泉澤清次・三菱重工次期社長(写真)の行く手には、「老害」がばらまいた爆弾ばかり (C)時事

 

 三菱重工業社長兼最高経営責任者(CEO)の宮永俊一(70)が4月1日付で会長に退き、取締役常務執行役員の泉澤清次(61)が後任に昇格する。

 この人事を発表した記者会見で宮永は、「後顧の憂いはほぼ一掃された」と、自ら手がけた構造改革の成果を強調したが、現実の経営環境は、依然としていつ火の手が上がるか分からない“爆弾”だらけだ。

 来年に控える「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の初号機納入はいまだメドが立たず、南アフリカの火力発電所建設を巡る日立製作所とのトラブルも未解決のまま。中期経営計画で打ち出した「2018年3月期の売上高5兆円達成」は大幅な未達に終わり、2019年3月期予想も4兆2000億円と低空飛行が続く。

 トップ人事と同時に「相談役・特別顧問制度の廃止」を発表したが、社長OBが経営に口出しする“老害”は、歴代トップの確執が不正会計に結びついた東芝を髣髴とさせ、「もはや手遅れ」(同社関係者)のようにも見える。

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