「サウジアラムコ」CEOが投じた「問題提起」
2019年3月1日

この問題提起から議論が深まればよいのだが(中央がアミン・ナセルCEO)(C)AFP=時事
若い友人たちと議論していると、将来のエネルギー需給に関する長期予測について、大手国際石油会社は「自分たちの利益」になるように作成しているのではないか、という疑念を心の奥底に持っている人が多いと感じる時がある。
現実問題として、信頼性のある長期予測を発表しているのは、大手国際石油会社以外には「IEA(国際エネルギー機関)」や「OPEC(石油輸出国機構)」などに限られている。なぜなら、非常に多くの分野の、大量のデータを総合的に集計、分析、評価するためには、能力のある数多くの人材を投入する必要があり、膨大な費用がかかるからだ。その「膨大な費用」を正当化できる組織は決して多くない。
この作業に従事している人たちは、「アナリスト」としての自らの任務に誇りをもっている。職業人としての人生の大半を、ある特定分野の「アナリスト」として過ごしており、所属組織がどこであろうと、同じような分析手法を用い、データをコツコツと積み重ねる作業を繰り返しているのだ。ここに「恣意」が入る余地は少ない。
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