昨年4月に行われた米韓合同軍事演習「フォール・イーグル」に参加した米韓の兵士。今年の演習は規模が大幅に縮小されたが、今後は―― (C)EPA=時事

 

 2018年6月に行われたシンガポールでの第1回米朝首脳会談の共同声明では、「新たな米朝関係、朝鮮半島の恒久的かつ安定的平和体制の構築」について、「トランプ大統領は北朝鮮に安全の保証を与え」、「金正恩委員長は朝鮮半島の完全な非核化を行う」ことを確認した。そして今回は当然ながら、ベトナムでの第2回首脳会談では、「完全かつ迅速な履行」を約束したシンガポール宣言のうちの「非核化」がクローズアップされた。

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、「非核化」によって「経済制裁解除」と「金正恩体制維持の確約」を得て、米国相手に「引き分け以上」の戦果を挙げ、北朝鮮国民からの英雄視獲得を目指した。

 他方、ドナルド・トランプ大統領は、「北朝鮮の対米核攻撃から米国民を守る」ことに成功し、さらに「史上初の米朝首脳会談」を歴史に記して、大統領選挙に向けてキャンペーンの実を挙げることが目的だった。

 しかし、「非核化理解のギャップ」は合意を阻(はば)んだ。ここで考えなければならないのは、「最終的な狙いは何か」である。

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