一部を除いて処方薬の大半はインターネット販売が認められていない(写真はイメージです)

 

 世の中にはいまだに、ばかばかしい政府の規制がたくさんある。

 なぜ規制はなくならないのか。規制をなくして、便利で効率的な社会にしようとすると、なぜ猛烈な抵抗に遭うのか。それどころか、ひどい場合は個人攻撃を受けて、社会的評価さえ貶められかねない。

 本書『岩盤規制―誰が成長を阻むのか―』(新潮新書)は、長年にわたって政府と民間部門の第一線で規制改革に取り組んできた著者による「規制改革をめぐる最新にして最良のテキスト」である。著者の原英史氏は経済産業省出身で規制改革・行政改革担当大臣補佐官などを務めた後、退官し、現在は政策シンクタンク代表を務めている。つまり、規制改革の「プロ中のプロ」だ。

 原氏は昨年、大きな問題になった加計学園問題でも、大学新設をめぐる改革の中核的役割を担った。そういう立場から国会でも証言している。本書は加計学園問題の真相を含めて、通信と放送の融合、携帯電話料金問題など、さまざまな実例を取り上げながら、規制の現状と改革の必要性、将来の見通しを縦横に論じている。

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