くだんの「代表処」を訪れると……(筆者撮影、以下同)

 

「台湾の大使館の土地名義がとうとう変わったらしいよ」――。

 そんな内部情報を、日本で台湾とのビジネスを手がけている人物から教えてもらった。「大使館」といっても、日本と外交関係がない台湾の場合、正式には「台北駐日経済文化代表処」と言う。

1月24日付で所有権移転登記がなされている

 すぐに都内の法務局に向かった。登記を調べてみると、確かに今年1月24日、土地の所有者が「馬紀壮」から「一般社団法人 台北駐日経済文化代表処館産管理委員会」に変更になっている。一体、どういうことだろうか。

 代表処があるのは東京都港区白金台。プラチナ通りの一本裏手にあり、白金台駅と目黒駅まで徒歩数分。東京でも指折りの高級住宅街だ。敷地内に代表処ビルと駐日代表の公邸があり、現在の土地の資産価値は150億円と見積もられている。

 台湾では、現在の駐日代表・謝長廷氏が2016年に就任して以来、名義を変更するか否かが政治問題化していた。

 登記が変更されたということは、台湾の事実上の「大使館」をめぐる日台外交史の「秘話」に、1つの決着がついたことを意味している。

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