ポンペオ米国務長官は3月1日、訪問先のフィリピンでもファーウェイの危険性を訴えた (C)AFP=時事

 

 中国の通信機器最大手、「華為技術」(以下、ファーウェイ)をめぐり、米国と中国が火花を散らしている。

 中国政府はファーウェイを全面擁護する方針を明確にし、「5G(第5世代移動通信システム)」の覇権争いは「米国・同盟国ブロックvs.中国ブロック」に二分される構図のようだが、米同盟国でも中国との経済関係に影響が及ぶことを恐れ、コストと技術面で優位に立つファーウェイの排除に踏み切れないでいる。

 こうした現状に米国政府は焦りを隠せない一方、中国政府およびファーウェイは真っ向勝負の様相だ。安全保障と直結する5G技術の対決に中国側は自信を見せている。

爆発する米国の焦り

 3月1日、マイク・ポンペオ米国務長官はフィリピンで、「我々の課題は5Gに関するリスクを世界で共有することであり、ファーウェイの機器が使用されている地域で事業を展開する米国企業は問題に直面するだろう」と述べた。

 これは米国企業のみならず、途上国に向けてファーウェイの製品を5G網の構築で採用しないよう訴えたものだ。

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