OPEC総会「4月開催」がキャンセルされたワケ

執筆者:岩瀬昇2019年3月22日

 

『日本経済新聞』(以下、日経)が報じているように、「OPEC(石油輸出国機構)」とロシアを中核とする非OPEC産油国(両者をまとめて「OPEC+」)は3月18日(月)、アゼルバイジャンの首都バクーで「共同閣僚級監視委員会(JMMC=Joint Ministerial Monitoring Committee)」を開催し、現行の120万BD(バレル/日量)減産を6月末まで継続することで合意した。

『日経』の記事は『主要産油国、6月まで減産協議の継続を確認』というタイトルとなっており、さらに4月開催予定だった次の「OPEC」総会と「OPEC+」全体会合の見送りを決定、その結果、原油市場は堅調に推移した、と報じている(2019年3月18日22:45掲載)。

 この記事で興味深いのは、ロシアのアレクサンドル・ノヴァク・エネルギー相が、17日開催の「共同技術委員会(JTC=Joint Technical Committee)」には参加したが、18日の「JMMC」には「国内行事を優先」して欠席した、「本会合欠席で減産に前向きなサウジ(筆者注・サウジアラビア)をけん制したとの見方もある」とし、「今後、サウジとロシアの不協和音が深刻になれば、原油市場が不安定になる可能性がある」としている点だ。

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