名ばかり「CT・MRI大国」ニッポンを救う「遠隔画像診断」「AI」融合の可能性
2019年3月26日
ガンの早期発見・早期治療に欠かせないのがCT(コンピューター断層撮影)やMRI(核磁気共鳴法)といった画像検査だが、残念ながら受けさえすれば必ず見つかるというわけではない。
経済協力開発機構(OECD)が毎年発表している国別のCT保有数によれば、日本は人口100万人当たりの数がOECD加盟36カ国で最も多い。それも過去15年ずっと、である。直近の2014年のデータでは、2位・オーストラリアの64台を大きく引き離す107台で、ダントツ。人口100万当たりのMRI数も1位で、2位・アメリカの38台に差をつける52台だ。
しかし、せっかく「CT・MRI大国」であるのに、実は肝心の画像を「読み」「分析」し、そして的確な「診断」を下せる放射線診断専門医が圧倒的に不足しているという大きな欠陥がある。その数、5000人ちょっと。CTの絶対数は約1万3000、MRIの絶対数は約6500なので、1人の専門医が2.5台のCTと1.3台のMRIを担当している計算なのだ。
ミスをゼロに近づけるシステム作り
「画像検査を行う医療機関が増え続ける一方で、放射線診断専門医が慢性的に不足しているのが、近年の傾向です。自ずと1枚の画像診断にかけられる時間が限られ、どうしても見逃しやミスが出てくる。いま求められているのは、ミスが起きるという前提で、それを限りなくゼロに近づけるシステムを作ること」
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