「スタートアップ大国」から「医療大麻大国」へ変貌する「イスラエル」の算盤勘定
2019年3月28日
2019年3月、イスラエルのエルサレムは、晴天で日差しは強かったが、気温は10度ほどにしかならず少し肌寒かった。
筆者はその日、エルサレムから車で1時間ほど西に位置するレバディムに向かっていた。そこで、これからイスラエルが力を入れる最先端産業の研究・開発拠点を視察する予定だったからだ。
その産業とは、「医療大麻」である。
2019年1月27日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と閣僚は、閣議で医療大麻の輸出を正式に承認。イスラエルは、1993年から国内での使用を許可してきたが、このたび世界で3番目に輸出を許可する国になった。
医療大麻メーカーの巨大な施設
レバディムの広大な敷地には、医療大麻メーカーの「ブレス・オブ・ライフ・ファーマ社」が誇る巨大な生産施設があった。自信に満ち溢れた同社のタミル・ゲドCEO(最高経営責任者)は、「ここの大麻製品はGMP(Good Manufacturing Practice=製造所の製造・品質管理基準)に遵守しており、管理も徹底している。そして完全に一貫性のある製品を送り出すことができる。大麻を合法化した先進国と比べて、品質も先をいっている」と、そのポテンシャルについて、強気な発言をしていた。
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