踊り子に挟まれた公邸料理人セバスチャン・マルタン氏(左)とムーラン ルージュの料理長ダビッド・ルケレック氏(筆者撮影、以下同)

 

 駐日フランス大使公邸(東京・港区南麻布)で3月20日、恒例の夕食会イベント「グード・フランス(フランスの味覚)」が開かれた。今年は創設130年になるパリの老舗キャバレー「ムーラン・ルージュ」が協賛企業となり、本国からやってきた踊り子によるフレンチカンカンも披露されて、公邸は艶っぽい雰囲気と拍手とブラボーの声援に包まれた。

プロバンス地方がテーマ

 「グード・フランス」はフランスの料理文化の魅力を伝えようと、仏外務省が音頭をとって2015年に始めた。毎年、3月21日前後の一夜、世界150カ国にあるフランス大使公邸に各界の人々を招いて夕食会を開く。各国でこのイベントに協力してくれるレストランでは、フランスの地方料理をさほど高くない値段で提供する。

 毎年、仏外務省がそれなりの予算とエネルギーを割いてこのイベントを続けるのは、料理文化の魅力を伝えることで観光客のフランスへの誘致、仏農産物の売り込み、フランスのイメージの向上に繋げようとの狙いがある。

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