饗宴外交の舞台裏 (248)

老舗キャバレー「ムーラン・ルージュ」がフレンチカンカン披露した「駐日フランス大使公邸」の夜

執筆者:西川恵 2019年3月27日
エリア: ヨーロッパ アジア
踊り子に挟まれた公邸料理人セバスチャン・マルタン氏(左)とムーラン ルージュの料理長ダビッド・ルケレック氏(筆者撮影、以下同)

 

 駐日フランス大使公邸(東京・港区南麻布)で3月20日、恒例の夕食会イベント「グード・フランス(フランスの味覚)」が開かれた。今年は創設130年になるパリの老舗キャバレー「ムーラン・ルージュ」が協賛企業となり、本国からやってきた踊り子によるフレンチカンカンも披露されて、公邸は艶っぽい雰囲気と拍手とブラボーの声援に包まれた。

プロバンス地方がテーマ

 「グード・フランス」はフランスの料理文化の魅力を伝えようと、仏外務省が音頭をとって2015年に始めた。毎年、3月21日前後の一夜、世界150カ国にあるフランス大使公邸に各界の人々を招いて夕食会を開く。各国でこのイベントに協力してくれるレストランでは、フランスの地方料理をさほど高くない値段で提供する。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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