世界潮流「民主主義」「資本主義」の修正は日本を飲み込むか
2019年4月2日
『ディ・ツァイト』紙元共同発行人でドイツ有数の言論人であるテオ・ゾンマー氏は、ジャーナリストとして過ごした自らの60年余りの月日を振り返り、今ほど世界が危険に満ちているときはない、と嘆息する。
『フィナンシャル・タイムズ』のジャナン・ガネッシュ氏は、今や人々は資本主義に対し、1930年以来かつてなかったほどの憤懣を感じている、と警鐘を鳴らす。
『エコノミスト』もしばらく前にその特集で、資本主義がかつてないほどの危険な状況にあると指摘した。
我々が今、そうした状況の中にいることは否定しようもない。
もう1つのアンチテーゼ
1989年、ベルリンの壁が崩壊した時、人々はイデオロギーの分断が終わり、民主主義が世界を覆うと歓喜した。誰もが対立の時代は過ぎ去り、世界は今後「一体化」していくと信じてユーフォリア(幸福感)に酔いしれた。しかし、その冷戦終結から30年。今、我々は「それが全て幻想だった」ことを知る。ユーフォリアは霧消し、その陰から醜い現実が不気味な姿を現す。
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