ドバイのアラビア語紙に連載を開始

執筆者:池内恵2019年4月1日

日々に新しい動きが身の回りに起こるのだが、最近の特筆すべき出来事は、ドバイのアラビア語日刊紙『アッ=ルウヤ(意見)』のコラム二ストになって、毎日曜日にコラムを寄稿するようになったことだ。2月に始め、すでに6回のコラムを寄稿している。

最近も昨日3月31日に掲載されている。

一連のコラムは『アッ=ルウヤ』紙のウェブサイトの私のコーナーに格納されて蓄積され、後からでも読めるようになっている。

考えてみると、日本人でアラビア語紙にコラムを連載した人物を知らない。日本人が書いたものが単発でアラビア語の新聞に翻訳され掲載されることはあっただろうが、最初からアラビア語でアラブ世界に向けて本人が書いて連載したケースは初めてではないだろうか。

半ば偶然が重なって依頼を受けて、試しに始めてしまった連載だが、案外歴史的に大きな出来事なのかも知らない。

『アッ=ルウヤ』紙へのコラムは、日本の立場から中東諸国の読者に向けて外交・安全保障論を発信するという、明確な一貫したコンセプトに基づいて書かれている。

これがどのような波紋を招いていくか、楽しみである。

考えてみるとこのコラムはアラビア語オリジナル版であり、他の言語では発表していない。最初からアラブの言説空間に働きかけることを考えて書いており、アラブ圏の議論に最適化されている。そのため、日本語版や英語版を出す気はなかったのだが、もしかすると『フォーサイト』の「中東通信」欄の読者には、私がどのようなことをアラブ圏に発信しているか、密かに抜粋してお伝えしてもいいかもしれない。

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