最近の中東の関心事といえば、4月9日のイスラエル総選挙だろう。注目・関心は一点「ついにネタニヤフ首相が退陣するか」どうかにある。

イスラエル検察は2月28日、ネタニヤフ首相を汚職疑惑で起訴する方針を発表した。

選挙では、ネタニヤフのかつての側近たちを含む対抗勢力が対抗馬のベニー・ガンツ元参謀総長の元に結集する流れがある。

ネタニヤフ政権(第2次・第3次)は2009年3月31日に発足しているため、ちょうど10年がたったところである(ネタニヤフはそれ以前に1996年6月から99年7月に3年余りの第1次政権を率いた経験があるが)。

長期政権はネタニヤフの権謀術数の賜物と、辟易しながら評価されるが、今回の汚職疑惑でついに命運が尽きたか、とも囁かれる。イスラエル政府内部には深刻に「飽き」が来ている向きもあるようだ。

ガンツ候補は政策面ではネタニヤフ政権からの継続を謳い、ネタニヤフ首相そのものの退陣を最大の目標として掲げる。これに賛同する勢力が結集し始めているものの、選挙当日に向けて、ネタニヤフ首相が内政外交でどれだけ奇策を打ってくるか分からない。国民の支持を集めるために対外関係を緊張させる可能性もある。当日まで注目である。

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