新社名と同時に就任した橋本新社長だが、前途は多難すぎる(C)時事

 

 4月1日、鉄鋼最大手の名門「新日鉄住金」は、「日本製鉄」へ社名変更した。

 敗戦から5年後の1950年に財閥解体によって旧日本製鉄が八幡製鉄や富士製鉄など4社に分割・解体されて以来、実に69年ぶりの商号復活となる。1970年には八幡・富士合併による「新日本製鉄」へ、2012年には住友金属工業の事実上の吸収合併による「新日鉄住金」へと規模を拡大。頭打ちの国内鉄鋼市場の“ガリバー”から、世界で闘える鉄鋼メーカーへの脱皮を図ってきたが、19カ国に製鉄所を構える世界首位の「アルセロール・ミタル」(ルクセンブルク)や自国内に成長市場を抱える2位の「宝武鋼鉄集団」(中国)の背中は遠ざかるばかりだ。

 新生「日本製鉄」は今年に入り、「日新製鋼」の完全子会社化(連結子会社化は2017年)や「山陽特殊製鋼」の連結子会社化、さらに実現間近のインド鉄鋼大手「エッサール ・スチール」の買収をテコに世界市場での生き残りを目指す考えだが、新日鉄以来の歴代トップはM&A(合併・買収)で失敗の連続だった。

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