1つの時代が終わった(C)AFP=時事

 

 2010年の「アラブの春」が北アフリカ諸国に波及した際、エジプト、チュニジア、リビアの3カ国で強権的な長期政権が幕を閉じた。そうした中、「アラブの春」の影響をほとんど受けず、長期政権の存続に成功したのがアルジェリアのアブデラジィズ・ブーテフリカ大統領(82)であった。

 そのブーテフリカ大統領が4月2日、任期満了となる4月28日を待たずに辞任し、1999年から4期20年続いた長期政権が幕を閉じた。

「革命世代指導者」の退場

 ブーテフリカ氏は当初、5期目を目指して4月18日に予定されていた大統領選挙への立候補を表明していたが、3月11日にこれを撤回した。しかし、自らの立候補断念と併せて大統領選の延期も決定し、3月末には内閣を改造するなど、権力に執着する姿勢も見られた。

 ブーテフリカ氏は2013年に脳卒中を患って以降、公の場に姿を見せることが少なく、国民の間では大統領職に留まることへの反感が静かに広まっていた。大統領選延期の決定に不満を爆発させたアルジェリア国民が、首都アルジェなど複数の主要都市で退陣を求める大規模な抗議デモを起こし、ブーテフリカ氏は退陣に追い込まれた。

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