アルジェリア「ブーテフリカ長期政権」終焉が象徴するアフリカの「今」

執筆者:白戸圭一 2019年4月9日
エリア: アフリカ
1つの時代が終わった(C)AFP=時事

 

 2010年の「アラブの春」が北アフリカ諸国に波及した際、エジプト、チュニジア、リビアの3カ国で強権的な長期政権が幕を閉じた。そうした中、「アラブの春」の影響をほとんど受けず、長期政権の存続に成功したのがアルジェリアのアブデラジィズ・ブーテフリカ大統領(82)であった。

 そのブーテフリカ大統領が4月2日、任期満了となる4月28日を待たずに辞任し、1999年から4期20年続いた長期政権が幕を閉じた。

「革命世代指導者」の退場

 ブーテフリカ氏は当初、5期目を目指して4月18日に予定されていた大統領選挙への立候補を表明していたが、3月11日にこれを撤回した。しかし、自らの立候補断念と併せて大統領選の延期も決定し、3月末には内閣を改造するなど、権力に執着する姿勢も見られた。

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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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