図1 2019年の18歳人口1万人当たりの東大合格者数(筆者提供、以下同)

 

「出身地と出身大学以外で働きなさい」

 私は自分の主宰する「医療ガバナンス研究所」で学ぶ医学生や看護学生にいつも言う。

 私がこのように指導する理由は、異郷で生活することで若者は成長すると考えるからだ。

 人はあらゆる意味で育った環境の影響を受けている。ところが、そのことをきちんと自覚していないと、自分の育った環境が全てと思ってしまいがちだ。若者には「旅」が必要だ。このことは古今東西変わらない「真理」だと思っている。

インターンに来た2人の学生

 今回の春休みに2人の若者が当研究所でインターンを経験した。吉村弘記君(写真1)と村山安寿君(写真2)だ。

 吉村君は埼玉県生まれ。私立武蔵高校を卒業後、2浪の末、広島大学医学部に合格した。母上の吉村七重さんは熊谷市役所に勤務する保健師。1994~95年にかけて、筆者が大宮赤十字病院(現さいたま赤十字病院)で研修医をしていた際に一緒に働いた。頭の回転が速く、行動力がある優秀な人物だ。弘記君は彼女の一人息子である。 

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