働けど生活できない高齢者が今後も増えていく(写真はイメージです)

 

 5月1日から元号が「令和」と切り替わることが発表され、世の中は新たな時代の到来に沸きたっている。しかし、「令和」は高齢者にとっては、厳しい時代となりそうだ。すでに、日本の高齢者は安心して生活を送れる状況にはなくなっている。日本は“高齢者を不幸にする国”になろうとしている。

生活費が毎月不足

 生活保護を受ける高齢者世帯は、増加の一途を辿っている(下記「生活保護受給世帯の世帯類型別年次推移」を参照)。

 生活保護と聞くと「母子家庭」のイメージが強いが、実は生活保護を受けている世帯でもっとも多いのは、高齢者世帯なのだ。それも、近年では人手不足の影響もあり、女性の就業が増加していることから、母子家庭の生活保護世帯は2012年度をピークに減少している半面、年金支給額の削減などにより生活が困窮し、生活保護を受ける高齢者世帯は増加している。2018年11月の高齢者生活保護受給世帯は、88万2258世帯と過去最多を更新し続けているのだ。

 

 総務省の『2017年家計調査年報』によると、世帯主が60歳以上で無職である2人以上の世帯では、実収入が20万4587円で、実収入から税や社会保険料等の非消費支出を差し引いた可処分所得は17万6635円となり、これに対して生活に必要な消費支出は23万7682円となっている。つまり、1カ月当たり6万1047円の不足額が生じている。同様に、60歳以上の単身無職世帯では、実収入が11万4027円、可処分所得は10万1483円に対して、消費支出は14万2198円で、1カ月当たり4万715円の不足額が生じている。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。