スピーチライターから、いまや大統領を背後で操っているかのような実力者に(C)EPA=時事

 

【ワシントン発】 2018年春以降、「移民キャラバン」と呼ばれる群衆がホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラといった中米諸国から米国を目指して北上し、メキシコと米国との国境付近に大挙して押し寄せてきているが、そうした状況に対し、ドナルド・トランプ大統領の国境管理と不法移民取り締まりの強化の姿勢は強まる一方である。

 昨年末から、連邦政府の一部機関が米国史上最長となる35日間も閉鎖されたのも、暫定予算案の中にトランプ大統領が強く要求し続けていたメキシコとの国境沿いの「壁」の建設費57億ドルが盛り込まれず、同予算案の署名をトランプ大統領が拒否したためである。

 さらに1月には、メキシコとの国境付近に安全保障上の危機が生じているとして「国家非常事態」を宣言し、総額80億ドルを投入して「壁」を建設する方針をトランプ大統領は明確にした。最近では、不法移民取締強化の一環として、中米3カ国に対する米国政府の支援を停止するとともに、メキシコとの国境も閉鎖する方針を改めて示唆している。

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