EU・中国首脳会議に臨んだ(左から)ジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長、李克強首相、ドナルド・トゥスクEU大統領 (C)AFP=時事

 

 米中が貿易戦争で熾烈な戦いを繰り広げる中、EU(欧州連合)・中国間では、4月9日のEU・中国首脳会議で双方合意に至った。ただし、共同声明までの過程は平坦ではなく、ギリギリまでその発出が危ぶまれるほどだった。

「体制上のライバル」

 ベルギー・ブリュッセルで行われたEU・中国首脳会議には、EU側からドナルド・トゥスクEU大統領、ジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長が、また、中国側から李克強首相が出席した。

 EU側は中国の直接投資、貿易に関する不公平措置是正を強く求めた。中国は、EU企業の中国市場参入を規制しつつ、EU市場に参入する自国企業には補助金を交付、いわば「国家丸抱え」でヨーロッパ進出を仕掛けてくる。

 EU市場は外国企業に対しオープンだが、それは当該企業が一定のルールを順守することが条件だ。そのルールとは、EUと外国の企業が公平に競争するということである。そのルールが守られなければ、外国企業、とりわけ、中国企業はEU市場への自由なアクセスを保証されない。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。