「EU分断」を目論む中国が「首脳会議」で打ちこんだ「楔」
2019年4月18日
米中が貿易戦争で熾烈な戦いを繰り広げる中、EU(欧州連合)・中国間では、4月9日のEU・中国首脳会議で双方合意に至った。ただし、共同声明までの過程は平坦ではなく、ギリギリまでその発出が危ぶまれるほどだった。
「体制上のライバル」
ベルギー・ブリュッセルで行われたEU・中国首脳会議には、EU側からドナルド・トゥスクEU大統領、ジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長が、また、中国側から李克強首相が出席した。
EU側は中国の直接投資、貿易に関する不公平措置是正を強く求めた。中国は、EU企業の中国市場参入を規制しつつ、EU市場に参入する自国企業には補助金を交付、いわば「国家丸抱え」でヨーロッパ進出を仕掛けてくる。
EU市場は外国企業に対しオープンだが、それは当該企業が一定のルールを順守することが条件だ。そのルールとは、EUと外国の企業が公平に競争するということである。そのルールが守られなければ、外国企業、とりわけ、中国企業はEU市場への自由なアクセスを保証されない。
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