「露の工作」トランプ政権発足後も継続:「探知遅れ」で敗北感漂う米情報機関
2019年4月24日
ロバート・モラー特別検察官による捜査が終了した「ロシア疑惑」。発表された捜査報告書は結局、ロシアとトランプ陣営の「共謀」を法的に立証しなかった。
全448ページのうち40%、178ページになお黒インクで消された非公開部分があるが、奇妙なことに、なぜかロシア情報機関による「アクティブ・メジャーズ(ACTIVE MEASURES=積極的措置)」に関する記述が詳しい。
一見して意味不明のそんなロシア情報機関の工作名称は、米国の情報機関で言えば「秘密工作(COVERT ACTION)」に相当する。殺人など暴力行為が伴うのは「濡れた工作(WET AFFAIRS)」、謀略情報の流布や、プロパガンダ、戦略的情報リークなどは「乾いた工作(DRY AFFAIRS)」と呼ばれている。米国が被害者となったこのロシア疑惑の工作は後者である。
今回、ロシアのアクティブ・メジャーズに気付かず、やすやすとウラジーミル・プーチン大統領が望んだドナルド・トランプ大統領を当選させた米インテリジェンス・コミュニティのショックは極めて大きい。
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