「露の工作」トランプ政権発足後も継続:「探知遅れ」で敗北感漂う米情報機関

執筆者:春名幹男 2019年4月24日
エリア: 北米 ロシア
公表された「モラー報告書」。米情報コミュニティに衝撃が走った (C)AFP=時事

 

 ロバート・モラー特別検察官による捜査が終了した「ロシア疑惑」。発表された捜査報告書は結局、ロシアとトランプ陣営の「共謀」を法的に立証しなかった。

 全448ページのうち40%、178ページになお黒インクで消された非公開部分があるが、奇妙なことに、なぜかロシア情報機関による「アクティブ・メジャーズ(ACTIVE MEASURES=積極的措置)」に関する記述が詳しい。

 一見して意味不明のそんなロシア情報機関の工作名称は、米国の情報機関で言えば「秘密工作(COVERT ACTION)」に相当する。殺人など暴力行為が伴うのは「濡れた工作(WET AFFAIRS)」、謀略情報の流布や、プロパガンダ、戦略的情報リークなどは「乾いた工作(DRY AFFAIRS)」と呼ばれている。米国が被害者となったこのロシア疑惑の工作は後者である。

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執筆者プロフィール
春名幹男 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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