ペルーの代名詞「ピスコ」で味わう「日本人移住120周年」

執筆者:フォーサイト編集部2019年4月26日
欧米では”定番”になりつつあるピスコサワー(日本ピスコ協会提供)

 

 日系人の多い国といえばブラジルだが、日本人が南米で最初に移住したのは、意外にもお隣のペルーである。

 1899(明治32)年2月28日、790名の日本人が日本郵船の「佐倉丸」に乗って横浜を出帆。太平洋を8600海里横断し、4月3日にリマ郊外のカジャオ港に到着した。

 ちょうど120周年に当たる今年は、日本とペルーが両国の交流年と位置づけていることもあり、官民レベルでさまざまなイベントや企画が行われている。

 4月14日には「日本ピスコ協会」という一般社団法人の設立記念パーティーが開かれた。ピスコはペルーを代表するブドウの蒸留酒で、フランス・シャンパーニュ地方のシャンパンのように、特定の地域でしかつくられない。16世紀前半にスペイン人がブドウを持ち込み、ワインに続いてピスコの製造が始まった。歴史深いお酒である。

「欧米では人気が高まってきていて、ある程度のバーに行けば、ピスコを使ったカクテル“ピスコサワー”を飲めますが、日本ではまだまだ知られていませんし、ピスコサワーを出しているお店でも、隣国チリの同名のお酒を使っているのが現状です。そうした状況を何とかしたいと自然に集まった有志で、ピスコ協会が設立されました」

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