「台湾総統選」出馬! テリー・ゴウの「大衆熱狂術」
2019年4月25日
4月17日、台湾総統選に出馬する意向を示したテリー・ゴウだが、その日の午前中は報道陣を引き連れて台湾の慈恵宮を訪れている。これも彼なりのパフォーマンスか…… (C)EPA=時事
鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長が2020年1月に実施予定の台湾総統選挙に、最大野党・国民党からの出馬を表明した。世新大学(台北市)が19日までに実施した世論調査では、現職の蔡英文総統に20ポイント強の大差を付けて首位に立っている。郭氏にとってシャープ買収はゴールではなく、野望への第一歩だった。
雇用創出力は政治力
「今太閤」。郭氏の台湾におけるポジションを言い表すなら、かつて日本で田中角栄氏を指したこの言葉が、もっともふさわしい。
郭氏の父親は中国山西省出身の警察官で、国共内戦で国民党軍とともに戦った。母親からの借金を元手に1974年、台北郊外で白黒テレビ用のプラスチック製選局つまみの製造を始めた。これがホンハイグループの始まりである。その会社は昨年、5兆台湾ドル(1620億ドル、約17兆8000億円)の売り上げを記録した。日立製作所とソニーを足した規模である。
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