金正恩「新体制」と「対米交渉」の行方(2)

執筆者:平井久志2019年4月28日
最高人民会議代議員選挙の結果を報じる朝鮮労働党機関紙『労働新聞』(同紙HPより)

 

 当選が発表された代議員には党政治局常務委員である金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長、崔龍海(チェ・リョンヘ)党副委員長、朴奉珠(パク・ポンジュ)首相という党重鎮や、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)党宣伝扇動部第1副部長(党政治局員候補)も含まれていた。

金与正氏も正式に代議員に

 金与正氏は2014年3月の第13期選挙では立候補していなかったが、その後2016年には代議員証を持って最高人民会議に出席している姿が確認され、補欠補充で代議員になったとみられていた。今回の第14期は、スタート時点から正式に代議員に選出された。金与正氏は2017年10月の党中央委第7期第2回総会で政治局員候補になり、さらに党宣伝扇動部第1副部長になっていることから、当然の当選とみられた。

 動静が注目されていた人物では、昨年11月から動静報道が途切れ闘病中とみられていた朴光浩(パク・グァンホ)党宣伝扇動部長の当選が確認された。また、米朝首脳会談決裂の責任を問われるのではという見方もあった金英哲(キム・ヨンチョル)党統一戦線部長も当選した。

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