金正恩「新体制」と「対米交渉」の行方(7)

執筆者:平井久志2019年5月3日
最高人民会議で「施政演説」を行う金正恩党委員長(『労働新聞』HPより)

 

 党機関紙『労働新聞』は4月12日、最高人民会議第14期第1回会議でひな檀に上がった幹部を以下の順序で報じた。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は出席しなかったが、形式的に序列1位とすると以下の順番である。

新たな政治序列

(1)金正恩(欠席)(2)金永南、(3)崔龍海、(4)朴奉珠、(5)金在龍、(6)楊亨燮、(7)李萬建、(8)朴光浩、(9)李秀勇、(10)金平海、(11)太鍾守、(12)呉寿容、(12)安正洙、(13)朴泰成、(14)崔輝、(15)朴泰徳、(16)金英哲、(17)李容浩、(18)太炯哲、(19)金秀吉、(20)崔富日、(21)鄭京沢、(22)盧斗哲、(23)李永吉、(24)努光鉄、(25)任哲雄、(26)金徳訓、(27)李龍男、(28)趙延俊、(29)李炳鉄、(30)金能五、(31)朴正男、(32)李煕用、(33)金英大

 平壌では4月14日に金日成(キム・イルソン)主席誕生107周年慶祝中央報告大会が平壌体育館で開催され、『労働新聞』はこれに参加した幹部たちの名簿を報じた。この大会には金党委員長は参加しなかったが、この名簿は今回の党政治局拡大会議、党中央委総会、最高人民会議を終了した時点での北朝鮮の新たな政治序列とみられた。便宜上、金党委員長を序列1位として紹介すれば以下のような序列だ。軍部は他の幹部と一緒にせず、別の序列にしている。政治的に健在が確認されているが欠席した人物は※印、▽は軍幹部を序列に入れた場合の推定序列である。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。