イラン原油「完全禁輸」でどうなる「油価」と「地政学的緊張」
2019年5月3日
イラン原油の主要輸入国に対する米国の6カ月間の「制裁適用免除」が切れる5月2日が過ぎた。
市場参加者たちは5月2日以降、イラン原油の輸出がどこまで減少すると見込んでいるのだろうか?

NYMEXにおける期近月WTI価格の終値。ドル
米国が「制裁適用免除を延長しない」と発表した4月22日の直前と、その日以降の市場の動きは右表のようになっている。
この動きを見る限り、市場は、トランプ政権が目指す「輸出ゼロ」が実現する、あるいは供給が極めてタイトになる、とは見ていないようだ。
だが、市場を動かす要因は他にもある。
供給面では、ベネズエラとリビアの政情不安」がもたらす減産のリスクがあり、さらには「OPEC(石油輸出国機構)プラス」の「協調減産」の動向がある。米シェールの増産基調が継続するのか、も重要な要因だろう。
需要面では、中国の経済成長がさらに鈍化し、世界経済を減速させるのかどうか、という予測困難な要因がある。
このように、5月2日以降、市場がどちらに向かうのかはきわめて読みにくい展開である。
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