FT当該記事
 

 イラン原油の主要輸入国に対する米国の6カ月間の「制裁適用免除」が切れる5月2日が過ぎた。

 市場参加者たちは5月2日以降、イラン原油の輸出がどこまで減少すると見込んでいるのだろうか?

NYMEXにおける期近月WTI価格の終値。ドル

 米国が「制裁適用免除を延長しない」と発表した4月22日の直前と、その日以降の市場の動きは右表のようになっている。

 この動きを見る限り、市場は、トランプ政権が目指す「輸出ゼロ」が実現する、あるいは供給が極めてタイトになる、とは見ていないようだ。

 だが、市場を動かす要因は他にもある。

 供給面では、ベネズエラとリビアの政情不安」がもたらす減産のリスクがあり、さらには「OPEC(石油輸出国機構)プラス」の「協調減産」の動向がある。米シェールの増産基調が継続するのか、も重要な要因だろう。

 需要面では、中国の経済成長がさらに鈍化し、世界経済を減速させるのかどうか、という予測困難な要因がある。

 このように、5月2日以降、市場がどちらに向かうのかはきわめて読みにくい展開である。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。