岩瀬昇のエネルギー通信 (144)

イラン原油「完全禁輸」でどうなる「油価」と「地政学的緊張」

FT当該記事
 

 イラン原油の主要輸入国に対する米国の6カ月間の「制裁適用免除」が切れる5月2日が過ぎた。

 市場参加者たちは5月2日以降、イラン原油の輸出がどこまで減少すると見込んでいるのだろうか?

NYMEXにおける期近月WTI価格の終値。ドル

 米国が「制裁適用免除を延長しない」と発表した4月22日の直前と、その日以降の市場の動きは右表のようになっている。

 この動きを見る限り、市場は、トランプ政権が目指す「輸出ゼロ」が実現する、あるいは供給が極めてタイトになる、とは見ていないようだ。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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