母体企業「日立」ですら撤退した原発事業にしがみつく経団連会長の感覚が問われている(C)時事

 

 5月末に任期2年目を迎える経団連会長(「日立製作所」会長)の中西宏明(73)の発言が物議を醸している。

 今年に入り、まず1月15日の定例記者会見で「(原発の)再稼働はどんどんやるべきだ」と声を上げ、報道各社による個別のインタビューでは、国民の理解を得るため「真剣に一般公開の討論をするべきだ」と主張していた。ところが、この発言を受けて元首相の小泉純一郎(77)が顧問を務める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(原自連)が公開討論会の開催を提案すると、「エモーショナル(感情的)に再稼働に反対する人たちと議論はできない」と拒否した。

 さらに2月14日に「中部電力」浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)を視察した際には、「原発と原子爆弾が頭の中で結びついている人に『違う』ということは難しい」と反対論者を蔑視するような発言が飛び出し、身内ともいえる「電気事業連合会」会長(中部電力社長)の勝野哲(64)から「原発と原爆を結びつけた議論はない」と遠回しに批判された。

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