それでも「原発」にしがみつく「中西経団連会長」の経営感覚

執筆者:安西巧 2019年5月7日
母体企業「日立」ですら撤退した原発事業にしがみつく経団連会長の感覚が問われている(C)時事

 

 5月末に任期2年目を迎える経団連会長(「日立製作所」会長)の中西宏明(73)の発言が物議を醸している。

 今年に入り、まず1月15日の定例記者会見で「(原発の)再稼働はどんどんやるべきだ」と声を上げ、報道各社による個別のインタビューでは、国民の理解を得るため「真剣に一般公開の討論をするべきだ」と主張していた。ところが、この発言を受けて元首相の小泉純一郎(77)が顧問を務める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(原自連)が公開討論会の開催を提案すると、「エモーショナル(感情的)に再稼働に反対する人たちと議論はできない」と拒否した。

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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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