支持率低迷ながらも再選目指す蔡英文総統に挑む頼清徳氏(右)。間もなく来日する(C)時事

 

 来年1月に控えた台湾の総統選が、いま大混戦になっている。

 既存の二大政党である与党「民進党」、野党「国民党」とも予想外の候補者が現れるなどして選出方法をめぐって党内抗争が激化し、調整がつかない迷走状態に陥っており、通常であれば4月か遅くとも5月には固まっている総統選の構図は、明らかになるのが6月以降にずれ込みそうな勢いだ。

 現状としては、昨年の統一地方選で圧勝した国民党が優勢を維持しており、民進党が劣勢にあるが、国民党にも決定的な強さがあるわけではない。

 肝心の総統候補選びで両党がもたつくなか、その間隙を縫って第三勢力の候補が現れる可能性も高まっている。国民党の分裂で三つ巴の戦いになり、結果的に民進党の陳水扁氏が当選して台湾で初の政権交代が起きた2000年の総統選を彷彿とさせる部分もある。

求心力低下の「民進党」に乱立「国民党」

 筆者の知りあいの台湾の政治記者たちも、「候補者たちの日々の動きを追いかけるので精一杯。今後どうなっていくのかまったく予想がつかない。こんな選挙は経験したことがない」と愚痴をもらすほどの混戦ぶりだ。

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