ここにUAEからの100万キロリットルを備蓄してある(「JXTGエネルギー」の鹿児島・喜入基地。国土交通省の国土画像情報より)

 

 米国の「違法な」制裁を回避するために、イランは「すべての手段を行使し、石油をグレー・マーケットに販売する」と石油副大臣が語った、との『ロイター』電(2019年5月5日「Iran using all resources to sell oil in 'grey market’:deputy minister」)を読んで、閃くものがあった。

 日本が、国家備蓄、民間備蓄に準ずる「第3の備蓄」と位置づけ、2009年より実行している「産油国共同備蓄」の仕組みを使えば、イランは米国制裁に触れることなく、大量の石油を消費市場のそばに貯蔵しておける、制裁が解ければすぐに大量に販売することができる、あるいは場合によってはこっそりと売ることすらできる、のではないか。最後の部分は「制裁」にひっかかるが、追跡・捕捉することは容易ではない。

 これこそ「グレー・マーケットに販売する」秘策ではなかろうか?

 では、「産油国共同備蓄」とは何か?

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