エマニュエル・マクロン仏大統領と10月に任期満了を迎えるジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長 (C)AFP=時事

 

 5月23日から26日まで予定される欧州議会選挙まであと1週間ほどとなった。これまであまり注目を集めることがなかったこの選挙も、今度ばかりは様子が違う。ポピュリスト勢力の躍進がEU(欧州連合)の将来を左右しかねないからだ。

 しかし、現在の予想では、ポピュリスト側の議席は思ったほどの伸びはなく、逆に、親EU勢力の議席は減るものの、他会派との連携で何とか過半数を確保しそうな勢いである。選挙結果は10月に任期満了を迎えるジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長の後任人事にも影響する。また、ブレグジットに揺れるイギリスは選挙に参加する可能性が高い。

EUの今後に決定的な影響

 これまでの欧州議会は親EUの中道勢力が主導権を握り、予算と人事を動かし、またEUはこの中道勢力と連携して、統合の実務を切り盛りしてきた。従って仮に中道勢力が過半数を割るような事態になれば、EUの決定に支障が出るのは避けられない。そのため今回の選挙は前述したように、EUの今後に決定的な影響を与える。逆にポピュリスト側は議会を拠点にEUに影響力を及ぼそうとの狙いだ。

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