米国トランプ政権が、イランへの圧力を強めていく中で、5月12日にUAE(アラブ首長国連邦)のフジャイラ港沖で発生したとされる、サウジ2隻、UAEシャルジャ1隻及びノルウェーの4隻の船舶を対象とした「破壊工作」を境に、偶発的な衝突の危険性への警戒が高まっている。5月14日、米国務省はイラクのバグダードとエルビール駐在の「緊急でない」米大使館・総領事館職員に退去を指示した。

より正確に言えば、「意図せざる偶発的な衝突を意図的に作り出していく水面下での動きへの警戒が高まっている」と言えば良いだろうか。また、偶発的な衝突の発生を阻止するための水面下での動きも急速に進んでいると考えられる。米国はイラク

フジャイラ沖の事件について詳細は一向に明らかになっていない。サウジ政府もUAE政府も公式には一切具体的な国家や勢力を特定・非難していない。

それにもかかわらず、5月14日に『AP通信』が行った独自の報道では、匿名の米政府高官(a U.S. officialとしか記されていない)が、具体的な根拠を示さず、初期段階の米軍の調査から、イランあるいはイランに支援された代理勢力の関与が疑われると名指しした。

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