ペルシア湾の出口ホルムズ海峡の外に位置するUAEフジャイラでの事件と関連があるかどうか分からないが、気になるのは、5月11日にパキスタン南西部バルーチスターン州の港市グワダルで起こった、高級ホテル(Zaver Pearl-Continental Hotel)の襲撃事件である。

初期の報道ではパキスタン海軍の兵士1名を含む5名が殺害され、犯人3名も死亡したという。ホテルは大きく破損したとされ、かなりの規模の攻撃であったと推測できる

バルーチ解放軍マジード旅団(The Majeed Brigade of the Baloch Liberation Army)なる組織が犯行声明を出し、4名の実行犯の写真を公開している。

パキスタン南西部バローチスターン州からイラン南東部のスィースターン・バルーチェスターン州にかけての国境をまたぐ地帯は「バルーチスターン」あるいは(あるいは「バローチスターン」「バローチェスターン」)と呼ばれ、バルーチ人(バローチ人)が、それぞれの国の多数派・支配的民族と異なる少数派として生きており、分離主義運動がある。

パキスタンのバルーチ人の分離主義運動がイラン内に拠点を置き、逆にイランのバルーチ人分離主義運動がパキスタン内に拠点を置くことで、それぞれの政府からの追及を逃れて活動をするという傾向がある。これについて従来は、イランとパキスタンは、事件が起きるたびに、双方の政府を非難していた。

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