立ちふさがる「難題」にどう対処するか手腕が試される(C)AFP=時事

 

 南アフリカ総選挙(下院選、定数400議席)の結果が発表された。焦点だった与党「アフリカ民族会議(ANC)」の得票率は過去最低を更新したが、大幅な後退を免れたことで党関係者は安堵感を漂わせた。

 1994年の民主化以降、ANCが最も苦戦した今回の選挙を振り返ってみたい。

大統領個人の人気で

 南ア選挙管理委員会が5月11日に発表した最終結果によると、ANCは19議席減の230議席(得票率57.5%)。2009年の前々回選から3度連続で下降線をたどり、得票率が6割を切ったのは初めてだった。

 予想通りの厳しい結果となったが、スキャンダルまみれで辞任に追い込まれたジェイコブ・ズマ前大統領の在任中に行われた2016年の地方選(同54%)よりは盛り返した。

 首都プレトリアの開票センターで集計作業を見守っていたANCの選対責任者は、「シリル・ラマポーザ氏が総裁でなかったら得票率40%でもおかしくなかった」と胸をなで下ろした。

 ANC関係者によると、目標としていた得票率6割には届かなかったものの、投票率が伸び悩めば5割台後半まで下がることは「織り込み済みだった」という。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。