多額の公的資金をかけた経済産業省の手腕が問われている

 

 半導体の「ルネサス エレクトロニクス」と液晶の「ジャパンディスプレイ(JDI)」。経済産業省の肝いりで作られた2つの「国策企業」が苦境に喘いでいる。ルネサスは膨大な在庫を抱え、主力工場で1カ月間、操業を停止。JDIは台湾、中国企業の傘下に入る。

 両社が産声を上げた2002年、「再建請負人」として日産自動車に乗り込んだカルロス・ゴーン氏は「日産リバイバルプラン」を完遂し、次の3カ年計画「日産180」を打ち出した。

 日産を3年でV字回復させたゴーン氏と、何千億円もの税金と17年の歳月をかけながら泥沼を抜け出せない経産省。経営力の差はあまりに歴然としている。

「30連休」に突入

 今年のゴールデンウィークは10連休で官庁や金融機関、サービス産業は慣れない超大型連休への対応で右往左往したが、「30連休」に突入したルネサスの工場は、まだ止まったままだ。

 ルネサスは4~6月に国内外の主要工場を最大1カ月間止める。那珂工場(茨城県ひたちなか市)など前工程を手がける生産ラインの平均稼働率(ウエハー投入量ベース)は、2018年第4四半期(10~12月)に5割台まで落ち込んだ。それでも在庫が増え続けたということは、完成品の販売が極端に減っていることを意味する。

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