女性CEOの手腕が試されている(「オクシデンタル」HOの「CEOメッセージより)

 

 スーパーメジャーの1社米「シェブロン」が米独立系最大手の「アナダルコ」の買収に合意した、というニュースが流れたとき、筆者は「『売り手』と『買い手』の油価見通しが同一水準になっている……現状の価格帯が『ニューノーマル(新常態)』になっているとの認識が広まっている」ことがこの合併劇の背景にある主因ではないか、と書いた(「シェブロン」独立系最大手「アナダルコ」巨額買収で起こるか「業界大再編」 2019年4月19日)。

 その後「アナダルコ」とほぼ同規模の米独立系「オクシデンタル(Occidental Petroleum)」が名乗りを上げ、「シェブロン」の500億ドル提案を上回る560億ドルを提示し、最終合意に達した。「シェブロン」はさらに高値提案を行わず、競争にはならなかった。

「アナダルコ」の株主にとっては、金額総額のみならず、現金と株式の比率等、すべての面で「オクシデンタル」の提案の方が魅力的だったようだ。この提案を補強するため、「オクシデンタル」は世界最大の投資持株会社「バークシャー・ハサウェイ」を率いるウォーレン・バフェットから100億ドルの資金を引き出し、仏大手石油「トタル」にモザンビークのLNG(液化天然ガス)プロジェクトを含むアフリカ資産を80億ドルで売却した。

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