岩瀬昇のエネルギー通信 (142)

「シェブロン」独立系最大手「アナダルコ」巨額買収で起きるか「業界大再編」

執筆者:岩瀬昇 2019年4月19日
タグ: インド イラン
もし業界大再編が起きれば原油価格はどうなるのか!?(写真は現在の価格ではありません)(C)時事

 

 米大手石油会社「シェブロン」が総額500億ドルで米独立系最大手「アナダルコ・ペトロリアム(以下、アナダルコ)」の買収に合意した。

 背景に何があるのか? 今後、どのような展開が待っているのか?

 その前に、少々思い出話をすることをご容赦願いたい。

 筆者が2度目のロンドン勤務となった1998年春、英「BP」のジョン・ブラウン社長(当時)は200人ほどの幹部社員に、「10ドル時代を生き抜くために何をすべきか」というメールを送り、意見を求めた、という話を聞いた。ブラウンは、低迷する油価、すなわち10ドル台がしばらく続く、これが「ニューノーマル(新常態)」になるかもしれない、という危機感から行ったのだ。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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