日本も巻き込まれる「粗悪医薬品」サプライチェーンの「危険度」
2019年5月22日

首都ダッカのバザールにて。薬の品質悪化が懸念される(写真はイメージです)
【筆者:森田知宏・内科医】
「バングラデシュでは、誰が処方するかなんて気にしません。どこで薬を買うかの方が大事です」
この言葉を聞いたのは、バングラデシュ人のスタッフからだった。
私は耳を疑った。日本であれば、当然誰が処方するか、つまりどこの病院のどんな医師に受診するかの方が重要だ。良い医師にかかれば、効果が高く無駄が少ない薬を処方される。そうでなければ無駄な薬が増える。
しかし、バングラデシュでは処方内容よりも薬そのものの品質が重要だと言う。
そもそも薬局の半数以上が無認可で営業していることもあり、処方箋がなくても医療用医薬品を購入することが出来てしまう。
【Evaluation of medicines dispensing pattern of private pharmacies in Rajshahi, Bangladesh】
そのため、わざわざ医師を受診して処方箋をもらうことに意味がない、と一般の住民は感じている。それよりも、彼らにとっては正しい薬剤が入手できるかどうかが重要だ。
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