圧勝でも問題は山積み(C)AFP=時事

 

 有権者約9億人という文字通り「世界最大の民主主義」を実践する5年に1度のインド総選挙が5月23日に開票され、カリスマ的人気を背景に経済改革「モディノミクス」を推進してきたナレンドラ・モディ首相率いる与党「インド人民党(BJP)」が再度圧勝して政権続投を決めた。

 初代首相ジャワハルラル・ネールやインド版「鉄の女」インディラ・ガンディーらを輩出したガンディー家4代目ラフル・ガンディー総裁の最大野党「国民会議派」は、農村の困窮や雇用創出の失敗、そしてフランス製戦闘機導入をめぐる「ラファール疑惑」などに対する政権批判が有権者に響かず、前回2014年総選挙と同様の完敗となった。

「全国政党」へ突き進んだBJP

 BJP率いる与党連合「国民民主同盟(NDA)」は定数543議席の国会下院(1選挙区で投票が延期され、選挙実施は542議席)で、安定過半数となる352議席を獲得。「農村の困窮」や「雇用」といったさまざまな逆風を払いのけ、BJPは1980年代の国民会議派全盛期に並ぶ38%という得票率を達成、NDAとしても約45%の票を集める圧勝を飾った。

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